ベルリンのスタートアップが日本に進出するには?

 

ハノーバーで行われたCEBITで、6月12日、東京からDreamVisionの平石郁生CEOを招いて、日本のスタートアップエコシステムの発展と現在についてプレゼンをしていただいた。そのあと、日本発の本格的スタートアップで初めてベルリンに進出したWantedlyのグローバルビジネス開発トップのLisa Wäntig、EyeEmこーファウンダーのGen Sadakane、bunch.aiコーファウンダーCEOのDarja Gutnickによるパネルディスカッションが行われた。司会を務めたのはStorymakerのパートナー・CEOのBjoern Eichstaedt。本イベントはジェトロによるGlobal Acceleration Hub事業のベルリン・ハブの始動の告知イベントとして、特にドイツにおけるIT業界に対してPRを行うことを目的として行われた。

DreamVisionの平石郁生CEOからは日本の市場の大きさと重要性について、Google JapanやEvernote Japanの具体例も交えて語っていただいた。東京だけではなく、大阪、福岡などエコシステムも多元化しており、日本のスタートアップでも英語を使用するところが出てくるなど、英語の重要性が近年増していることが指摘された。また、日本発のユニコーンスタートアップの紹介も行われた。

パネルディスカッションで主に興味深かったのは、スタートアップが海外に進出する場合に最も重要になるのはファウンダー同士のネットワーク、という指摘だった。今後東京やベルリンでイベントを行う際に、別々のエコシステムで活躍するファウンダー同士が知り合い、情報交換を行う場を設けることの重要性が浮き彫りになったと言える。また、海外進出の初期においては、そのようなファウンダーネットワークにまずは接続するために、JETROのような公的支援機関による訪問プログラムや短期滞在プログラムが効果的であるという指摘もあった(ニューヨークへのビジットプログラムに参加して顧客獲得の成果をあげたスタートアップからの声として)。

近年、スタートアップ・エコシステムの国際性のレベルが注目され、グローバルなエコシステムランキングの際の重要な指標になりつつある。シリコンバレー、テルアビブやロンドンがランキングで圧倒的な強さを誇るのは、これらの都市のスタートアップが早期からB2B顧客を他のエコシステムに獲得し、そのことによりエコシステム間のつながりができているからだ。ベルリン発のbunch.aiはその好例だ。エコシステムのB2Bの国際性ではメキシコシティも10位以内にランクインしており、日本の主要都市エコシステムをランキングではるかに凌駕している事実は、謙虚に受け止める必要があるのかもしれない。その意味で、日本のスタートアップが早くから海外のエコシステムにB2B顧客を獲得し、あるいはB2Cユーザーを獲得していくことは大変重要で、ベルリンへの進出をジェトロとともに支援をしていきたい。また、日本のエコシステムそのものが国際的な人材を惹きつけることもそのためには有効である。ベルリン発・ドイツ発のスタートアップの日本進出、日本企業とのビジネス提携の推進にもこれからも協力をしていきたい。